三井不動産は2017年9月12日、倉庫業務を効率化するICT設備・機器やシステムを紹介する「MFLP ICT LABO」を千葉県船橋市の同社倉庫内に新設し、13日のオープンを前に報道陣へ公開した。同社倉庫を利用したり利用を検討したりしている物流業者や荷主企業向けに16種類の設備・機器類を実演展示するほか、倉庫業務の効率化に向けたコンサルティング、設備類の購入・リースの相談などにも応じる。
MFLP ICT LABOの展示の目玉は、ロボットによる荷物の格納・ピッキングシステム「オートストア」だ。ジャングルジムのように組まれた支柱や梁の上を搬送ロボットが縦横に走り、作業台からの指示に従いコンテナを自動で出し入れする。内寸60×40×31センチメートル、最大積載量30キログラムのコンテナを作業台1カ所につき毎時最大500個出し入れできるほか、コンテナを高さ5メートル超まで積載可能だ。
オートストアの販売代理店である岡村製作所によると、オートストアを使うことで倉庫内の収納スペースを平置き棚の3分の1程度に圧縮できるとしている。国内ではニトリホールディングスが川崎市内の自社倉庫に導入するなど3カ所で稼働中。ほかに9カ所で導入が決まっているという。
このほか部材のピッキングに使うロボットアームや荷物の搬送ロボット、荷物を持ち上げる際に腰にかかる負担を軽減するアシストスーツや真空吸着式バランサー、動線分析ソフト、建屋内の電源・温度・施錠などの遠隔制御システムなどを展示している。
三井不動産の倉庫事業への参入は2012年4月と後発組だが、急ピッチで事業を拡大している。5年強で15棟を新設したほか2020年までに13棟が竣工予定としており、投資総額は4000億円に上る。足元ではネット通販の市場拡大などが続き倉庫需要は堅調だが、「少子高齢化や荷物のロット数の増加などで物流業界は人手不足になっている」(三井不動産の寺島道人ロジスティクス事業部長)といい、ショールームを活用して倉庫業務の効率化を提案し、自社倉庫の利用拡大につなげる意向だ。
情報元:ITPRO