中国の都市部では不動産価格が高止まりしているが、なんとかお金を工面して家を購入する人が後を絶たない。人生や一族の安定を求める中国人にとって家を所有することは日本人以上に重要な意味を持つ。
そんな中国人から見て日本の住宅は「とてもよく考えられていて、長く住むにふさわしい設計」なのだという。中国メディア快資訊はこのほど、日本の住宅の設計に注目し、「とても人間性があって、永く住む家として理想的である」と称賛する記事を掲載した。
中国は日本と異なり、マンションの内装は購入者が自ら手がける必要がある。かつてはとにかく豪華絢爛な内装が人気だったが、近年は海外のモダンなデザインや機能性を重視した内装設計が注目されるようになり、日本の住宅設計も中国人の関心を集めるようになっている。
記事は「日本は地震が非常に多い国であるゆえ、建物の設計にも安全意識が反映されていて、中国人にとっても学べる点が多くある」と紹介した。たとえば、「マンションには非常階段があって、緊急時に1つの出入り口が閉ざされても他の場所から避難できるように考えられている」と説明。また、こうした建築基準は政府が定める法律によるものなので、必ず設ける必要があると伝え、地震や火災が発生した際には住民の命を守る経路となると指摘した。
ほかにも、日本のマンションのバルコニーには緊急時の避難路となるよう隣戸との境のパテーションが蹴破れる様になっていることも説明し、「この発想には驚かされた」と強調。日本人は非常時には隣人同士で助け合うことを意味すると紹介しつつ、パテーションが蹴破れるからといって窃盗などの犯罪にはつながっていないことも紹介した。
中国のマンションの多くは窓やバルコニーに「鉄製の柵」が設置されている。防犯用としては機能するが、火事や災害などの緊急時にすぐに避難できるような設計は見られないのが一般的だ。それゆえに日本の建物は災害から教訓を得つつ、人びとの安全を確保するための工夫が取り入れられている点は中国も参考に値すると感じられるようだ。
(参照元)サーチナ