(株)東京カンテイは14日、2020年通年の三大都市圏(主要都市別)の分譲マンション賃料の推移を発表した。分譲マンションが賃貸された場合の募集賃料を、1平方メートル当たりに換算して算出したもの。
20年の首都圏分譲マンションの1平方メートル当たりの年間平均賃料は3,081円(前年比6.8%上昇)で、調査開始以来初めて3,000円を超えた。全域的な強含みに加え、賃料水準の高い東京都(3,661円、同5.2%上昇)での事例シェア拡大も圏域平均の押し上げに寄与した。神奈川県は2,296円(同7.5%上昇)、埼玉県は1,700円(同2.3%上昇)、千葉県は1,668円(同2.9%上昇)だった。
近畿圏は、1,935円(同2.9%上昇)と上昇傾向で、大阪府は2,162円(同2.5%上昇)。中部圏は1,744円(同0.6%上昇)と小幅に持ち直しており、愛知県は1,791円(同0.6%上昇)。各主要エリアの平均築年数の進み具合による違いから、上昇率にも差が生じた。愛知県では、比較的築浅な事例で弱含む動きもみられている。
一方、20年12月の分譲マンション賃料は、首都圏が3,168円(前月比0.4%上昇)と再び上昇した。しかし、東京都は3,690円(同0.2%下落)、神奈川県は2,352円(同0.3%下落)と弱含んでおり、千葉県は築浅事例の減少も相まって1,680円(同1.0%下落)と4ヵ月連続でのマイナスとなった。埼玉県は、さいたま市や川口市での事例が増加したこともあり、1,688円(同1.7%上昇)と引き続き上昇している。
近畿圏は築浅事例の減少に伴い、1,921円(同0.2%下落)と弱含んだ。一方で、大阪府は平均築年数が進んだにも関わらず、2,136円(同0.8%上昇)と再び上昇した。
中部圏の平均賃料は1,778円(同2.4%上昇)。愛知県は1,826円(同2.3%上昇)。名古屋市中区に所在する新築タワーマンションから、3,600円を超える高額事例が30件以上も発生したことが影響した。