イオンモールは28日、国内のマンション開発を担うマリモ(広島市)と資本業務提携したと発表した。27日付で不動産事業を手掛けるマリモホールディングス(HD、同市)からマリモ株の30%を取得した。投資額は非公開。マリモは地方の中小都市や郊外でマンション開発に強みを持つ。イオンモールとマリモは商業施設と住居が一体となった大型施設の開発を今後2年以内にめざす。
イオンモールはイオン傘下の中核会社でショッピングモールの開発と運営を担う。国内に約140カ所のモールを抱える。マリモは国内の分譲マンション開発などを担い、全国で約450棟を開発した実績がある。特にマリモは主要都市ではない地方の中小都市で土地の取得や開発に強い。マリモHDの2022年7月期の連結売上高は前の期比4%増の618億円となっている。
イオンモールは地方や郊外で商業施設の開発を進めてきた。人口減少と高齢化が進む中で、従来のようにファミリー層に照準を定めた施設開発に不透明感が出てきた。新型コロナウイルス下で消費者の行動も変わり、既存店の売上高と来店客数は回復し切れていない。住居と職場、買い物の場が一体となってアクセスのしやすい場所が求められる傾向も出てきた。
28日の記者会見で、イオンモールの岩村康次社長は「あらゆる施設がつながって境界をなくしていきたい。イオンモールに住まうことで新たな価値に出会えるようにする」。マリモHDの深川真社長は「2〜5年の間に両社の取り組みを次々に出していければ」と話した。